現在アプリのプラットホームは世界的に二分されており、Googleが運営するAndroidのプラットホーム「Google Play」と、Appleのプラットホーム「App Store」に分けられます。
この記事では、世界的なアプリプラットホームである「App Store」内に掲載できる「Apple Search Ads」に焦点を当ててご紹介いたします。
アプリ開発者やマーケティング担当者にとって、App Storeでの成功は非常に重要です。
Apple Search Adsの仕組み・活用方法・成果を最大化するためのヒントを詳しく紹介していきます。
Apple Search Adsを上手に活用して、自社のアプリを成功に導く方法を探求していきましょう。
Apple Search Adsのサービス概要
Apple Search Adsは、iOS向けのアプリ広告サービスで、2018年8月2日に日本ストアフロントで導入されました。
Apple Store内での検索連動型広告であり、特にアプリのインストールを促進することを目的としています。
Apple Search Adsを利用すると、アプリがApple Storeに公開されている場合、簡単に広告キャンペーンを設定できます。
必要な広告素材もApple Store内から提供されるため、審査を待つ必要がなく、迅速に広告活動を開始することも可能です。
Apple Search Adsを使用することで、アプリ開発者は自身のアプリを多くのユーザーにアピールし、インストール数を増やすことができるでしょう。
iOSユーザーにアプリを効果的にプロモーションしたい場合、Apple Search Adsは非常に優れた選択肢になります。
Apple Search Adsの広告表示様式
Apple Search Adsの広告表示様式は、iOSアプリの「App Store」内での検索結果において、トップ位置に表示されています。
通常の検索結果よりも上に掲載されるため、ユーザーが特定のキーワードでアプリを検索した際に、関連する広告が表示されるシステムになっているのです。
広告枠は各検索結果につき1つしか存在しないため、表示されることでクリックされる確率が高まります。
そして、クリック後は詳細な情報が提供され、ユーザーはアプリをインストールするかどうかを選択することが可能なのです。
Apple Search Adsは、App Store内での競争を勝ち抜くための強力なツールといえるでしょう。
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Apple Search Adsのメリット
Apple Search Adsのメリットは、主に以下の4つです。
- 既存ユーザーを除いて配信できる
- CR(コンバージョン率)が高い
- 課金率が高い
- 設定の余地が広い
それぞれ説明していきます。
既存ユーザーを除いて配信できる
Apple Search Adsでは既存ユーザーを除いて自社のアプリを配信することが可能です。
アプリの新規ユーザー獲得を重要視する場合、もう既にアプリをダウンロードしているユーザーへ広告配信をしても、意味がありませんよね。
そのとき、Apple Search Adsを使用することで、効果的な広告キャンペーンを展開することが可能になります。
Apple Search Adsは、ターゲティングの際に顧客タイプを「新規ユーザー」に設定できるため、既存ユーザーへの広告表示を回避します。
これにより、広告予算を新規ユーザー獲得に集中させ、より効率的な広告配信が可能になるのです。
CR(コンバージョン率)が高い
Apple Search Adsは、高いコンバージョン率をもたらすことも、特徴の1つです。
このコンバージョン率は、広告主に多くのメリットをもたらします。
Apple Search Adsは比較的新しい広告形態であり、競争も他の広告プラットホームに比べて少ないため、ユーザーにとって非常に目立ちやすい広告です。
その結果、ユーザーが広告をタップし、アプリをインストールするCRが非常に高くなっています。
Appleの公式データによれば、Apple Search Adsをタップしてから、インストールするまでのコンバージョン率は40〜60%と報告されています。
これは他のプラットホームと比較して驚異的な数値です。
たとえば、FacebookやGoogle AdWordsのコンバージョン率と比較すると、Apple Search Adsはなんと5倍以上も高いCRを誇ります。
この高いコンバージョン率は、広告費用対効果(ROI)を向上させ、アプリのインストール数を増加させる上で非常に有益です。
課金率が高い
Apple Search Adsの最大のメリットは、高い課金率です。
これは検索連動型広告という特性に基づいています。
検索結果ページで広告が表示されるため、ユーザーは既に特定のニーズや関心を持って検索を行っています。
そのため、必然的に課金率が高くなるのです。
Apple Search Adsを利用することで、ユーザーは自分のニーズに合致する広告を見つけることができ、その結果申し込みや購入などの行動を起こす可能性が高まるのです。
設定の余地が広い
Apple Search Adsは細かなターゲティング設定が可能です。
また広告キャンペーンをカスタマイズする幅が広がっているため、設定の余地がかなり広いです。
具体的には、新規ユーザーに向けて配信することや、特定の地域に広告を絞り込むことが可能になります。
これにより、ターゲットオーディエンスをより精密に設定し、広告の効果を最大化できるでしょう。
ただし、ターゲティングの判別はAppleIDや過去のApp Storeでのダウンロード履歴から行われるため、完璧な正確性を保証するものではありません。
しかし、ある程度のターゲット絞り込みができるため、広告の配信効率を向上させるのに役立ちます。
Apple Search Adsの2つのプランと費用
Apple Search Adsには、「Basic」と「Advance」の2種類の広告プランがあります。
それぞれの特徴について説明していきます。
Search Ads Basic
Search Ads Basicは、広告運用を簡素化し、少ないリソースでスタートできるプランです。
このプランでは、広告運用をAppleに委任し、広告予算とインストールコストの設定だけが必要です。
基本広告運用をするにはキーワードの選定や入札額の調整など、多くの設定や調整が必要ですが、BasicプランではこれらをすべてAppleが代行してくれます。
そのため、広告主は比較的少ないリソースで広告を実施することができ、Apple Search Adsを初めて利用する方でもスムーズに始めることが可能です。
ただし、Basicプランはひと月の予算が10,000米ドル以下までしか利用できない制限があるので、注意しましょう。
Search Ads Advance
Search Ads Advancedは、運用に関する設定や調整を自分で行うプランです。
このプランでは、キーワードや入札額を自分で設定し、細かな配信先のターゲティングも行います。
Basicプランとは異なり、予算の制限はありませんので、必要なだけ広告を配信することが可能です。
Advancedプランを選ぶと細かなコントロールが可能で、キーワードや入札額の調性・特定のユーザー層へのターゲティングが行えます。
またAdvancedプランには、予算制限がありません。キャンペーンの予算を自由に調整でき、詳細なデータと分析ツールを利用してキャンペーンのパフォーマンスを追跡し、最適化することも可能です。
Advancedプランは、運用に一定のリソースを割くことが必要ですが、細かな設定や効果的なターゲティングを行いたい方に適しています。
Search Adsのコストを決定する主な要因
Apple Search Adsのコストを決定する主な要因は、選択したプランにより異なります。
Basicプランでは、まずひと月あたりの広告予算を設定します。
この予算は、広告を配信するための最大の制約として考えましょう。
次に最大インストール単価(CPI)を設定します。CPIとは、広告を通じて1つのアプリがインストールされる際にかかるコストのことを示します。
たとえば、月の予算を10万円に設定しCPIを100円とした場合、月間で広告を通じて1,000回のインストールが行われると予算が完全に消化されることになるのです。
Advancedプランでは、まず広告キャンペーン全体の予算総額を設定し、その後1日あたりの上限予算を設定します。
一日の広告費が上限に達した場合、その日の広告配信が停止されるシステムになっています。
次に最大CPT入札額(Cost Per Tap)を設定しましょう。
CPT入札額とは、広告が1回クリックされた際に消化される広告費を指します。
Advancedプランでは、広告がクリックされた場合に予算が消化され、インストールが行われない限り予算が減少します。
最大CPT入札額の設定は、キーワードごとに表示される推奨入札額を参考に調整されるので、費用対効果を最適化するよう心掛けましょう。
Basicプランではインストール単価を設定し、インストールごとに予算が消化されます。
一方、Advancedプランではクリックごとに広告費がかかり、クリックの頻度やCPT入札額を調整して広告キャンペーンのコストと効果を最適化することが可能です。
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Apple Search Adsの始め方・配信準備
Apple Search Adsを始めるには、主に以下の手順で行うと良いでしょう。
- 事前準備
- アカウント作成
- キャンペーン作成
- 広告グループ作成
- キーワード設定
- オーディエンス設定
順番に解説していきます。
事前準備
Apple Search Adsを始める前に、まずはApple IDの作成をしましょう。
Apple IDは個人情報や設定をまとめたアカウントのことで、広告の管理画面へのアクセスや支払い情報の設定など、Apple Search Adsを利用するためには不可欠です。
既にApple IDを持っている場合は、そのIDを使用する事が可能です。
アカウント作成
次にApp Storeへのアプリを登録し、アカウントを作成しましょう。
Apple Search Adsを活用するためには、対象となるアプリをApp Storeに登録する必要があり、そのために「App Store Connect」を使用します。
App Store Connectを通じて、アプリの情報を入力し、App Storeにアップロードする作業が行えます。
また、広告の成果を追跡し分析するためにも、App Store Connectが重要な役割を果たすのです。
キャンペーン作成
Apple Search Adsでのキャンペーン作成は効果的な広告配信の第一歩です。
まず、キャンペーングループをアプリ単位で作成します。
このキャンペーングループは、Google広告のキャンペーンよりも上位の階層に位置します。
アプリ単位でキャンペーングループを作成することで、その下に具体的なキャンペーンを配置することが可能です。
この仕組みにより、管理画面のデータがアプリごとに整理されるので、効果的に広告キャンペーンの設定と監視を行いましょう。
また他にもキャンペーンの設定には、広告のターゲティング・キーワード選定・入札戦略などが含まれます。
アプリに関連する情報を適切に設定し、目的に合ったキャンペーンを作成しましょう。
広告グループ作成
広告グループは、キーワードやターゲットをまとめるためのグループの事を指します。
広告グループを作成する際には、キーワードの関連性を考慮し、同じ広告グループ内には関連性の高いキーワードをまとめましょう。
このことにより、ターゲットをより絞りやすくなります。
また、類似キーワードやパフォーマンスが近いキーワードを同じ広告グループに配置することで、広告のパフォーマンスを効果的に比較しやすくなるでしょう。
さらに、同じ広告グループ内のキーワードには、広告コンテンツが一貫性を持つように設定することも大切です。
これにより、ターゲットユーザーに対して一貫性のあるメッセージを提供し、クリックからコンバージョンへのスムーズな移行が可能になります。
キーワード設定
キーワード設定を行う際には、マッチタイプとCPT(Cost Per Tap、タップ単価)の設定が重要です。
マッチタイプは2種類あり、「完全一致」と「部分一致」があります。
完全一致は指定したキーワードが完全に一致する検索クエリに対して広告が表示され、部分一致は指定したキーワードが表示されます。
マッチタイプを選択する際に、広告のターゲットとなるユーザー層や広告の目的に応じて、適切なマッチタイプを選びましょう。
オーディエンス設定
Apple Search Ads Advancedのキャンペーンや広告グループを作成すると、オーディエンス設定は自動的に最適化され、App Storeの多くのユーザーにリーチします。
オーディエンス設定を微調整することで、特定のユーザーグループに焦点を当て、アプリのダウンロードやユーザーの再獲得を促進することが可能です。
たとえば、特定の地域・言語・デバイスタイプ・ユーザーの行動に基づいてターゲットを設定することなどが可能です。
ただし、オーディエンス設定を変更する際には、広告のインプレッション数が減少する可能性があることに留意してください。
ターゲットを限定することで、広告が表示される機会が制限されるため、慎重に設定を調整することが大切です。
Apple Search Adsのターゲティング
Apple Search Adsのターゲティングは、検索キーワードを指定して配信するGoogle広告と同様の仕組みを持っていますが、その他iOSならではのターゲット設定も可能です。
この広告プラットホームでは検索キーワードによるターゲティングに加えて、特定のiOSデバイス(iPhone・iPad・iPod touch)への配信・地理的なターゲティング・アプリ内購入の履歴に基づいたターゲティング・キャンペーン日程に基づいたターゲティングなど、多彩なオプションがあります。
これらのターゲティングオプションを組み合わせて、特定のターゲット層に合わせた効果的な広告キャンペーンを実施することが可能です。
また競合アプリや競争が激しいキーワードに対する入札など、キャンペーン設定にも注意が必要です。
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Apple Search Adsの成功事例
実際にApple Search Adsを使用してビジネスを行ったところ、コンバージョン率が上がり成功した事例は多くあります。
今回はその中でも、有名な2社の成功事例をご紹介します。
BeautyPlus
写真の編集アプリとして知られているBeautyPlusチームは、App Store Connectでセットアップしたカスタムプロダクトページに基づいて、検索結果キャンペーン向けのカスタム広告バリエーションを作成しました。
これにより、テーマに沿ったクリエイティブが表示され、製品の主要な機能と業界のトレンドが強調されたのです。
特に「写真 編集」という検索クエリに関連するパフォーマンスの高い広告を活用し、アプリの「写真 編集」機能を際立たせました。
その結果ユーザーがこれらの広告をタップすると、関連性の高い広告が表示され、製品の主要な機能と業界トレンドが強調されるようになったのです。
これらのカスタム広告はデフォルト広告よりもタップ率が90%高く、コンバージョン率が23%高まりました。
Babbel
BabbelはゲームやPodcastなどを通じて、外国語を学ぶ教育アプリです。
BabbelもBeautyPlus同様、Apple Search Adsを活用して印象的な成功を収めた企業の1つになります。
Babbelの成功の鍵は、キャンペーンの質と規模の最適な組み合わせを見つけたことにあります。
ブランドキャンペーンを通じて、企業名やブランド用語に関連する検索クエリに焦点を当て、強力な購買意向を持つユーザーを引き寄せました。
また、検索マッチを使用した調査キャンペーンを通じて、関連性の高い新しい検索キーワードを発見し、キーワードのカバレッジを拡大しました。
これにより、検索トレンドに関する重要な洞察を獲得することに成功したのです。
Babbelの成果は顕著で、グロースマーケティングマネージャーであるMichael Cadenas氏は、「Apple Search Adsは私たちにとって最高のマーケティングチャネルの1つです。安定した成果を上げ、成長の規模を拡大し、他の方法では届かなかったオーディエンスにリーチできます。」と述べています。
Apple Search Adsを活用する際のポイント
Apple Search Adsを活用する際のポイントは、主に以下の2つです。
キーワード設定のポイント
Apple Search Adsのキーワード設定のポイントは、キーワードの配信状況を定期的に確認し、特にCPI(クリックごとの費用)が高いキーワードに注意することです。
CPIが高すぎる場合は、入札単価を調整してコストを最適化することが大切です。
またインプレッションがほとんど発生していないキーワードにも注意し、競合他社に入札負けしている可能性を考えてみましょう。
入札のポイント
Apple Search Adsを成功させるために、入札単価の設定にも気をつけましょう。
入札単価が高すぎることで単価が上昇し、結果としてクリックごとのインストール単価(CPI)も高くなる傾向があります。
しかし高いCPIは、広告キャンペーンの効率性を損なう可能性があります。
だからといって、CPIの高騰を恐れて低単価で入札を設定しすぎると、広告が表示されない可能性が高まってしまうのです。
このため、キーワードごとに入札調整を行いながら、推奨入札範囲と配信状況を注意深くモニタリングすることがカギになってきます。
Apple Search Adsで着実にマーケティング成果を上げるなら
Apple Search Adsで着実なマーケティング成果を上げるためには、キーワードリサーチを徹底し、競争の激しいキーワードよりもニッチなキーワードに焦点を当てることがポイントです。
また、魅力的な広告クリエイティブを作成してCTRを向上させ、ユーザーの注意を引きつけることが必要でしょう。
もしスタートアップに不安を感じているのであれば、一度デジマクラスのコンサルタントに相談してみてください。
数々の相談実績があるデジマクラスでなら、自社に合った最適のプランを一緒に考え、情報を提供します。
ぜひ気軽に相談してみてください。
まとめ
Apple Search Adsは、日本を含む世界中で幅広いユーザーグループにリーチするための効果的なツールです。
特に自社アプリをプロモーションする際に有効で、App Store内での露出とインストール数の増大が期待できます。
Apple Search Adsを積極的に活用することで、アプリのプロモーション効果を高め、ターゲットユーザーにリーチする機会を広げることが可能です。
ぜひ本記事を参考に、効果的なApple Search Adsの運用を検討してみてください。
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